特別な予定があるわけでもない。
誰かに会う約束もなく、写真を撮る予定もない。
そんな、なんでもない日。
それでも私は、ワンピースを選ぶことがある。
理由はうまく説明できない。
ただ、今日はそれを着たいと思ったから。
ワンピースは少しだけ背筋を伸ばしてくれる。
上下を考えなくていい分、迷いも少ない。
一枚で整う感じが、心まで整えてくれる。
コンビニに行くだけの日。
近所を散歩するだけの日。
そんな日こそ、好きな一枚を着る。
誰に見せるわけでもないのに、なぜか少しうれしい。
鏡の前でくるりと回ってみる。
子どもみたいだと思いながら、少し笑ってしまう。
それだけで、なんでもない日が、ほんの少しだけやわらぐ。
特別な服は、特別な日に取っておくものだと思っていた。
でも最近は、逆でもいいのかもしれないと思う。
なんでもない日にこそ、好きな服を着る。
そのほうが、日常が少しだけ特別になる。
シワにならないように気をつけながら歩く帰り道。
風に裾が揺れる瞬間。
誰も気づかない小さな幸福が、そこにある。
なんでもない日のワンピース。
それは贅沢ではなく、静かなごほうび。
今日という一日を、少しだけ大切に扱うための選択。
明日もまた、なんでもない日かもしれない。
それでも私は、クローゼットを開ける。
そして、心が動いた一枚を、そっと選ぶ。
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