朝、鏡の前に立つ。
まだ少し眠たい顔と、これから外に出るための自分が、向き合っている。
ここからが、ひとり会議のはじまりだ。
「今日はどんな一日にする?」
誰に聞かれるわけでもない問いを、自分に投げかける。
天気、予定、気分。
いくつかの要素を並べて、静かに検討する。
きちんと見せたい日もある。
少し強く見せたい日もある。
できれば目立たずに、静かにやり過ごしたい日もある。
ハンガーから一着を取り出し、体にあててみる。
「うーん、今日は違うかも。」
そう言って戻すこともある。
服は正直だ。
心が追いついていないと、どこかしっくりこない。
鏡の中の私は、何も言わない。
でも、少し首をかしげたり、
ほんの少し口元がゆるんだりする。
その変化が、答えだったりする。
「これでいこう。」
小さくうなずく瞬間、会議はまとまる。
誰の承認もいらない、私だけの決定。
服を着るというより、気持ちを整える時間。
鏡の前で、自分の輪郭を確かめる時間。
忙しい一日の前にある、ほんの数分の静けさ。
完璧じゃなくていい。
流行に合っていなくてもいい。
今日の私が納得できれば、それで十分だ。
鏡の前のひとり会議。
それは毎朝くり返される、小さな儀式。
私はそこで、自分と合意してから、外の世界へ向かう。
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