2026年2月26日木曜日

鏡の前のひとり会議

朝、鏡の前に立つ。
まだ少し眠たい顔と、これから外に出るための自分が、向き合っている。
ここからが、ひとり会議のはじまりだ。

「今日はどんな一日にする?」
誰に聞かれるわけでもない問いを、自分に投げかける。
天気、予定、気分。
いくつかの要素を並べて、静かに検討する。

きちんと見せたい日もある。
少し強く見せたい日もある。
できれば目立たずに、静かにやり過ごしたい日もある。

ハンガーから一着を取り出し、体にあててみる。
「うーん、今日は違うかも。」
そう言って戻すこともある。
服は正直だ。
心が追いついていないと、どこかしっくりこない。

鏡の中の私は、何も言わない。
でも、少し首をかしげたり、
ほんの少し口元がゆるんだりする。
その変化が、答えだったりする。

「これでいこう。」
小さくうなずく瞬間、会議はまとまる。
誰の承認もいらない、私だけの決定。

服を着るというより、気持ちを整える時間。
鏡の前で、自分の輪郭を確かめる時間。
忙しい一日の前にある、ほんの数分の静けさ。

完璧じゃなくていい。
流行に合っていなくてもいい。
今日の私が納得できれば、それで十分だ。

鏡の前のひとり会議。
それは毎朝くり返される、小さな儀式。
私はそこで、自分と合意してから、外の世界へ向かう。

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