2026年2月26日木曜日

やわらかな鎧

朝の空気は少し冷たい。
外に出る前に、私はクローゼットの前で立ち止まる。
今日という一日に、どんな気持ちで向かえばいいのか、まだわからない。

手に取るのは、少し厚手のニット。
触れると、ほっとするやわらかさ。
まるで心の奥まで包み込んでくれるような感触だ。

この布は、ただの防寒ではない。
緊張や不安から少しだけ私を守ってくれる、やわらかな鎧だ。
誰かに見せるための強さじゃなく、自分自身のための安心感。

袖を通すと、肩がすっと軽くなる。
鏡の前で、今日の自分を確認する。
完璧じゃなくてもいい。
布が教えてくれるのは、ありのままの私でも立っていられるということ。

やわらかな鎧は、戦うためのものではない。
むしろ、戦わなくてもいい日常を支えるためのものだ。
歩くたびに、揺れる布が心をなだめ、背中を押してくれる。

誰も気づかないかもしれないけれど、
この布があるだけで、私は少しだけ強くなれる。
冷たい風や忙しい道のりにも、静かに耐えられる気がする。

今日もまた、私はこのやわらかな鎧をまとい、外の世界へ出る。
守られている安心感と、ほんの少しの勇気を胸に、
一歩ずつ、私の一日が始まる。

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